人間ドックの「完全正常」は健康?

日本人間ドック学会が8月、2014年の統計調査報告を公式サイトで発表した。その結果。基本検査の全項目で以上のない受診者は男性で5.5%、女性で8.3%しかいなかったそうだ。
基本検査の全項目で異常のない受信者のことを”スーパーノーマル”と呼ぶらしい。人間ドックの受診者は313万人余りで毎年増えている一方で、スーパーノーマルの比率は下がり続けている。1984年には29.8%だったのが、今や6.6%だ。下がり続けている原因として、受診者の高齢化や生活習慣病関連の判定基準の厳格化、食習慣の欧米化、身体活動の低下が挙げられている。
しかし、男性では肥満、高コレステロール、肝機能異常などが50歳代をピークに減少傾向にあるという。単に受診者の高齢化というよりは、年々厳しくなる診断基準が問題かもしれない。普通に仕事や生活している人のほとんどが正常でないとされる診断基準は果たして正しいのだろうか?確かに多くの研究の結果から導き出された値ではあるが、少し見直すことも考えた方がよさそうだ。
では、スーパーノーマルは本当に正常なのか?うつ病患者の多くは疲労困憊して食欲もなく、夜も寝られない生活が続いている。初診の時に生活習慣病関連の値が全く正常の人が多い。スーパーノーマルで食欲がない時はうつ状態などの精神疾患を疑うべきであり、ある程度食事をしていても痩せてくるのであればガンなどの悪性腫瘍を疑うべきなのかもしれない。また心身ともに健康な中年男性は暴飲暴食を繰り返し、適当な運動をしない人も大半だろう。このような人が人間ドックにかかると何らかの検査で異常値が出るだろう。飽食の時代にバリバリ働くサラリーマンが生活習慣病関連のデータ全てにいて正常値である可能性は極めて低いだろう。「ちょい悪」くらいがちょうどよくて、スーパーノーマルに関しては注意深い診察が必要なのではないだろうか?